私のオススメ本

第192回 やさしくなりたい人にオススメ

おススメ本
  松江キャンパス 図書館司書 野津 恵
  私のオススメ
   『へいわとせんそう』

   たにかわしゅんたろう 文 / Noritake 絵
   ブロンズ新社 2019年3月発行

 この本は、タイトルの通り、「平和」と「戦争」をテーマにした絵本です。本を開いて左には「へいわのボク」が笑って胸を張って立っていて、右には「せんそうのボク」が悲しそうな顔でしゃがんでいます。このように、短い言葉とモノクロのシンプルな絵で、平和と戦争を比較しながら進んでいきます。
 私がこの本を知ったのは、保育園の保護者研修会のときでした。読み聞かせの講師の方が、「子どもに戦争のことを伝えるのは刺激が強すぎる。でも、この本の表現ならいいと思う」と紹介され、さらっと読んでくださったのですが、優しいながらも強いメッセージがある内容に、大きく心を動かされました。戦争が悪いとか怖いとか悲しいとか、正解や感情を決めつけるように書いていないところも、自分なりに考え、感じることができていいなと思います。
 それでは、「みかたのかお」と「てきのかお」は、どのような違いがあると思いますか?その答えのひとつが、この本の中にあります。ぜひ手に取ってみてください。

 
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