髙須 佳奈(たかす かな)
教員メッセージ
「文化」というと、過去から受け継がれてきた伝統的なものごとを思い浮かべる人が多いと思います。文化には様々な定義がありますが、ここでは少し広く ー今・現在も多様なセグメントにおいて同時に生成されているものとして― 考えてみましょう。すると、組織・集団の数だけ文化があり、それらが総体としての人の営みを構成していると見ることもできます。こうした広い意味での文化は、私たちに楽しみや学びを与えてくれるものであり、一方で、私たちの思考や価値観・行動に(気づかないうちに)制約を与えるものでもあります。現代における組織経営の世界では、そうした個々の文化が生んだ制約をどう突破し、より良いあり方へと変革できるか?ということが重要な議論として扱われます。いきなり変革者になる必要はありませんが、ちょっとだけ「文化を客観的にみる視点」を持つことは、自ら学び・自身の可能性を広げるのに大いに役立つと考えています。
主な担当授業
・キャリアデザインI、II(2年次春・秋学期)
キャリアとは「自分らしい生き方をするための積み重ね」であり、デザインとは「問題(理想と現実のギャップ)をシンプルに解決すること」です。この授業では、就職活動といった短期間の活動に対する対策に終始せず、自己と社会について深く考察し、人生における「しごと」を多角的に検討します。合わせて、グループワークや社会人との対話を通じ、思考力や問題解決能力といった社会人基礎力の伸長を目指す授業科目です。・地域文化プロジェクトI、II(3〜4年次)
いわゆる卒論ゼミです。研究室名は「地域デザイン研究室」となっていて、地域のよりよいあり方について、企業・官公庁との協働を基盤に実践的に検討することを主眼においた研究室です。デザインの対象は、サービスを含む製品提案・マーケティングから人材育成・教育まで複合的に幅広く扱い、ゼミ生自身が立てた問いに地域とともに挑んでいます。今、そこにある「文化」に目を向け、理解し、創造することに自ら関わることを行いますが、これに必要な知識・思考に関する学習に自律的に取り組みます。★地域文化学科の教員であると同時に、本学のキャリア戦略推進室長を兼務しています。授業外の取り組みとして、地元の企業・NPO・行政と学生がともに問題解決に取り組む「長期実践型キャリア教育プログラム」を全学事業として展開しています。