地域連携 活動ブログ(松江キャンパス) Community Blog

公開授業「みんなに知ってほしい!視覚障がいのこと、そしてその支援」を開催しました。

 11月27日(月)に表記の公開授業を開催しました。授業は関田むつみさん(視覚障害当事者、可能性の伝道師)による「視覚障害と私~自己の探求と覚醒への道~」、そして蒔苗 詩歌さん(北星学園大学 アクセシビリティ支援室、北の国の障害学生支援担当者)による「視覚障害学生と大学~見ることの保障~」として展開されました。
 関田さんからはご自身の半生を振り返りながら「目が見えなくなって絶望した時期も無駄ではなかった」と思えるようになっていく変遷を丁寧にお話しいただきました。「障害は私の一部でしかない」こと、「手段×工夫×協力×配慮=無限の可能性」であること、そして「誰よりもその人の可能性を信じることがその人に力を与えるということを忘れないで」という言葉は参加者の心に深く刻まれました。
 続いて、蒔苗さんからは障害とは「機能障害と社会的障壁の二つが合わさることによって生じるものであること、合理的配慮やアクセシビリティについての説明を法律用語にとらわれない形で大変わかりやすく説明していただきました。また障害学生支援担当者として具体的にどんなことを考えながら、どのようなことをしているのかについて、北の国のソウルフードである“ビタミンカステラ”のイラストや様々な機器の紹介を通してお話ししてくださいました。
 ディスカッションでは関田さんは「一人暮らしなのか?」という質問に対し、障害ゆえの誰かと一緒に過ごしていくことの良さと難しさについての話から、障害の有無にかかわらない話や地域で生活する上で利用可能な制度サービスなどの話に発展していきました。また「見える」とはどんなことなのか、という蒔苗さんからの問いかけに参加者でディスカッションをしつつ、「見える」は一つの手段であり、実はその他の感覚でも「見ている」ことに気づく中で、先の関田さんの話と合わせて、いつの間にか偏見や固定観念にとらわれているかもしれないことに気付かせていただきました。
 当日は多くの島根県にお住まいの視覚障害のある方やその支援者の参加があり、ご意見や感想などお話いただきましたがもっともっとお話を伺いたかったほどです。今後も学生が地域のさまざまな方々とつながりながら、ともに学ぶ機会を創出していきたいと考えています。それは地域に開かれた大学としての県立大学の使命の一つでもあります。